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ライブレポ|2019年6月14日 滅火器 Fire EX. 海上的人十週年演唱會 @台北 The Wall Live House

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ライブレポ/セトリ
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2019年に滅火器 Fire EX.が実施した数あるライブの中で、この年唯一のツアーとなった『海上的人十週年演唱會』。彼らのアルバム『海上的人』が世に出てから10周年を迎えた昨年、台北、台中、高雄の3箇所でツアー形式でのライブを行いました。

2018年末の『ON FIRE DATE 2018』以来約半年ぶりとなるツアー。6-700名規模の小さなハコで対バンを2組も呼ぶ、異例の構成でのライブ敢行は大変印象的なものでした。

ツアーが始まるまでには様々なストーリーがあり、まずはそのことを知ってからの方が良いでしょう。以下のページに本ツアーに至る経緯や、ツアー初日までの様々なお話をまとめていますので是非先にご覧ください。(準備中)

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ライブ当日

当日の会場は台北市にある有名なライブハウス「The Wall Live House」。MRT公館駅から徒歩10分でたどり着きます。ライブハウスは地下にありますが、並んでいるお客さんは階段を通って地上にはみ出し、道路脇にずらっと並んでいます。キャパは6-700人程度と小さなハコですが、滅火器 Fire EX.をはじめ、台湾の有名バンドはここで何度も音を奏でています。僕は2019年は2回ここでライブ観戦しました(2回目は12月に隨性 Random というバンドの単独ライブ)。

ライブ自体は19:00から開始、18:00頃から入場が開始したと思います。TOTALFAT、Brahmanと日本から参戦したバンドが先陣を切り、特にBrahmanは滅火器 Fire EX.が憧れる先輩バンドとして会場をしっかりと温め、いよいよ滅火器 Fire EX.の出番です。

*TOTALFATとBrahmanのライブの様子は以下のページの後半に少し記録してあります。

滅火器 Fire EX. 台北ライブスタート

台北ライブは日本のバンド2つを含む3バンドでのライブのため、持ち時間がやや少なめとなっており、滅火器 Fire EX.は1.5時間ほどの持ち時間でした。ライブは午後9時過ぎからスタート。

1.海闊天空

最初はリハーサルを兼ねて、まだ会場の幕が開く前に、観客と一体となって歌った〈海闊天空〉。ご存知香港のスーパーバンドBeyondが歌う超が100個ぐらい付く名曲。当時「反送中」問題で大きく揺れた香港の話題は、台湾でも非常に身近な話でした。会場に足を運んだ香港人(おそらく台湾在住の香港人)の中には、「反送中」のプラカードを持ってライブに参加する人や、香港の国旗を黒く染めた、一連の問題への抗議を示す人もいました。

ただ、何よりも一番驚いたのは、会場のほとんどを占めるであろう台湾人が、広東語の曲である〈海闊天空〉を大声で歌っていることでした。それだけこの曲は認知され、人々に愛されているのだと気づかされる、ライブの出だしでした。

その後、会場右側のスクリーンには10年前の様子が映像としてまとめられ、懐かしい映像を振り返りました。

2.惡夢

幕が開き、大トリ滅火器 Fire EX.を待つファンの興奮は最高潮に。アルバム『海上的人』に収録の〈惡夢 Nightmare 9125〉でスタート。この〈惡夢 Nightmare 9125〉はイントロがあるバージョンで、このライブでも入場シーンに使用されました。〈惡夢 Nightmare 9125〉は出だしが強烈にかっこいい曲。モッシュピットも一気にヒートアップします。

3.日子 Days

続いてアルバム『海上的人』の曲から〈日子 Days〉。パンクらしい畳み掛けるような歌詞と勢いに圧倒されながらサビを迎えます。

「茫茫渺渺的日子 一年過一年 毋知影何時才看會清」(見通しのつかない日々 一年過ぎてまた一年 いつになったらはっきり見えるのだろう)

惡夢 Nightmare 9125〉で文字通り悪夢から目覚める様子を歌い上げると、そこから続く不安定で不鮮明な日々への想いを発します。

4.自由路

そのままペースがどんどん上がる〈自由路 Freedom〉へ。彷徨い続ける日々を過ごす主人公は自由を手に入れに叫びます。

「真理佇佗位 是非佇佗位」(真実はどこだ 正解はどれだ)

「自由路 民主的花 開踮心中」(自由への道 民主化への花 心の中で咲かせろ)

5.舊照片

優しくも複雑なアルペジオで始まる〈舊照片〉。若い頃の写真、そこには青春の証がある。信じるんだ、夢は永遠に美しいものさ。歌詞を通してそう会場に訴えかけるボーカルのSam。

「牆上的舊照片 是青春的證明」「你要相信 就要相信 我們的夢 永遠那麼美」

6.晚安台灣

名バラード曲〈晚安台灣〉のイントロ、コードストロークが始まると、会場全体が肩を組みフラッグを掲げ、大合唱が始まる。そう、人生苦しいことはいくらでもある。心配事で眠れないこともある。それでも、

「烏暗伊總會過去 日頭一出來猶原閣是好天氣」(闇はいずれ過ぎ去る 太陽が出ればまたいい天気さ)

陽が登ればまた新しい一日を迎えられるように、暗闇から抜け出せなくても、いつか必ずその時が来るんだと、会場のみんなが大きな声でそう信じる様子を口にします。

7.黃昏公路

8.夏天結束以前

9.你家爆炸我沒有哭

10.朋友歌

7-10曲目は〈黃昏公路〉〈夏天結束以前〉〈你家爆炸我沒有哭〉〈朋友歌〉。普段のライブではなかなか聞く機会がない曲ばかりで、このようなアルバムツアーでないと聞くはなかなかできないかもしれません。次は10年後だったりして笑

11.海上的人

ライブもいよいよ終盤に。名曲〈海上的人 A Man On The Sea〉が始まると、Samはギターをテックの阿Bに委ね、観客の方へ。柵に足をかけ、会場と一緒に歌います。

「就算眼前路愛面對長長孤單 心有淡薄仔忝」(長い長い孤独にぶち当たっても 心が少し疲れるだけさ)

「毋免驚 咱寬寬仔行」(恐れずに ゆっくり進んで行こう)

海のように不安定に揺れ動く、それが人生なのだと会場に訴えかけるSam。観客の中には涙する人もいました。

12.站在這裡

本編最後の曲は〈站在這裡〉。みんなで立ち上がろうと声を上げる。苦しいときでも、屈強に運命を変えてやるんだと。

「毋是毋捌想過放棄我的夢 放棄理想的生活 總是問我家己敢無夠拍拚」(夢を諦めたことは今までない 理想の生活を諦めたことも いつも自分自身に問う 頑張りが足りないのかと)

ここまでアルバム「海上的人」の収録順に演奏をした滅火器 Fire EX.(〈船長〉を除く)。メッセージ性のある曲をストーリー立てて発信した演出は観衆の心をしっかりと掴みました。

13.台11

ここからはアンコール。まずは観客へ何かリクエストはないかとSamが発言。リクエストに応え、〈台11〉のAメロとサビのみを観客と合唱(ギターとボーカルのみ)。

14.欲走無路

15.十九

16.長途夜車

ライブもいよいよ終盤。滅火器 Fire EX.を代表する曲〈長途夜車〉は繊細なギターイントロからスタートする曲。

「行你的路 行你的路 你對我講 但是你愛將轉來的路 囥佇心中 我等你成功」(「あなたの道を進め」あなたはこう言ったんだ 「でも帰り道は心の中で考えておけよ」「あなたの成功を待っている」と)

17.繼續向前行

アンコールも最後の曲〈繼續向前行〉へ。困難なことがあっても前に進み続けようと、ライブの最終曲としてメッセージをまとめ上げた滅火器 Fire EX.。

「我知影這袂輕鬆 頭前路崎崎嶇嶇 這是你的人生」(確かに楽ではないさ 前の道も決して平坦ではない でもこれが君の人生だ)

「你的故事 你家己來寫 繼續向前行」(君の物語は 君自身が書くべきだ 諦めず前に進もう)

こうしてツアー初日は幕を閉じました。ライブが終わったのは23時前でしたが、そこから写真を撮ったりサインをもらったりと、時間を過ごしていたので、ほぼ終電帰った気がします。このライブではORioが投げたタオルをゲットすることができました。

セットリスト

1.海闊天空
2.惡夢9125
3.日子
4.自由路
5.舊照片
6.晚安台灣
7.黃昏公路
8.夏天結束以前
9.你家爆炸我沒有哭
10.朋友歌
11.海上的人
12.站在這裡

アンコール
13.台11
14.欲走無路
15.十九
16.長途夜車
17.繼續向前行

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台湾音楽ノート
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